乾癬、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎では通常、外用治療が第一選択になります。しかし外用治療だけでは効果が乏しく治療に難渋することも少なくありません。このような場合に光線療法（紫外線療法）をお勧めしています。光線療法に用いられる紫外線照射器には全身に照射する全身型と限られた狭い範囲に照射するターゲット型があります。当院では全身型のナローバンドUVBとターゲット型のエキシマライトを用いてこれらの難治性皮膚疾患の治療に取り組んでいます。

▶︎適応疾患と治療費
　長波または中波紫外線療法に保険適応のある疾患：１回につき約1.000円（３割負担）
保険治療対象疾患は、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫、悪性リンパ腫、 慢性苔癬状粃糠疹、尋常性白班、アトピー性皮膚炎　です。
※保険適応はありませんが効果を期待できる疾患としては、皮膚そう痒症、円形脱毛症、痒疹、手湿疹などがあります。

▶︎ナローバンドUVB
　ナローバンドUVB療法は、波長が３１１nm付近の極めて狭い範囲の紫外線を照射します。全身に皮疹が分布する尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎などの治療に用いています。また人工透析中に生じた強いかゆみなどの難治性皮膚そう痒症や外用内服治療を行っても改善しにくい湿疹にも治療の選択肢としています。

▶︎エキシマライト（VTRAC）
　エキシマライトを用いるVTRACはナローバンドUVBよりも輝度（光強度）が高く、照射時間が非常に短いことが特長で、より高輝度な光を短時間で照射することで、同じ照射量でも高い深達度と光量の確保がされます。
また、名刺サイズの照射野のハンドピースて照射しますので、健常部位への余計な紫外線曝露を避け、簡便に病変部のみを照射することができます。限局した病変への照射やNB―UVBで照射しにくかった頭部、手足の照射に適しています。当院では主に円形脱毛症、掌蹠膿疱症、手湿疹等の治療に用いています。NB-UVBで治療し、残存した病変にも効果が期待出来ます。NB-UVBに比べ効果が現れるのが早く、治療回数も少なくすることができます。