一般皮膚科
ニキビ
ニキビを治そう!
炎症が乏しい白い小さなぶつぶつや黒い毛穴のつまり(面皰といいます)は、患者さんもこのくらいならほっておいてもいいかも、と病院に来られることも少なく、実際来院されても治療が困難でした。また、赤く腫れたニキビは抗菌外用剤や内服治療を行うと炎症が収まりますが、次々と新しいニキビが繰り返して出てきてしまうことが悩ましい問題でした。
新しい塗り薬は、毛穴のつまりをできにくくする作用があり、上手に使うことによってこれらの問題を解決することができます。
ニキビの症状と原因
ニキビの発症メカニズムには2つの段階があります。一つは毛穴がつまって膨らむこと(面皰形成)、もう一つはニキビ菌が増殖して炎症を起こすことです。思春期にニキビが出来る理由は、この時期に男性ホルモンが沢山分泌されるようになるからです。このホルモンの影響で皮脂の分泌がさかんになり、毛穴の中に皮脂が溜まり面皰ができてきます。大人のニキビは間違ったスキンケアや化粧品、ストレス、月経などホルモンの影響、睡眠不足、便秘などさまざまな因子が重なりあって発症すると言われています。
ニキビ治療
ニキビは90%以上の人が一生のうち1回はかかる、とてもありふれた病気です。特に思春期になると多くの人が罹患し、20歳くらいになると自然になおるのでニキビは病気ではない、ニキビくらいではわざわざ病院にいく必要がないと考えている患者さんや保護者の方も多いのではないでしょうか。しかし、炎症が強いニキビは治ったあとに瘢痕(ニキビ痕)を残し、いったん瘢痕になると治療は非常に難しいので、ニキビは軽いうちに可能な限り早く治す必要があります。
ニキビの治療薬は主に面皰に作用する外用レチノイドと過酸化ベンゾイル、そしてニキビ菌の増殖を抑える抗菌剤があります。初診の患者さんでは、面皰が主体か炎症性ニキビが主体か、炎症の程度などにより薬剤を選択します。外用レチノイドや過酸化ベンゾイルは薬を使い始めて2週間くらいの間に皮膚の乾燥、赤み、皮むけ、ひりひり感、かゆみを生じることがありますので、まずは約2週間後に2回目の受診をしていただいています。その後だいたい3ヶ月を目安に炎症をおさえる治療を行います。炎症のあるニキビが殆ど目立たなくなっても、面皰ができなくなるまで治療を継続することが必要です。また、ニキビの程度や治療に対する反応は個人差がありますので、うまくいかなくても諦めず、根気よく治療を続けましょう。
日常生活の注意
食事
チョコレートやナッツなど特定の食べ物がニキビを出来やすくするという医学的な根拠はありません。しかし、明らかに食べたあとニキビがひどくなる食品がある場合は食べ過ぎないように注意しましょう。
睡眠
睡眠不足はニキビの悪化につながります。充分な睡眠をとり規則正しい生活をしましょう。
洗顔、スキンケア
基本的に朝夕2回、洗顔料を用いて洗いましょう。大人のニキビでは皮膚の乾燥が増悪因子になっていることもありますので、皮膚の状態をみきわめて、乾燥しないように洗顔回数やスキンケア製品の選択を行いましょう。
紫外線はニキビの面皰や炎症への関与が指摘されています。特に外用レチノイドや過酸化ベンゾイルを使用しているときは紫外線の影響を受けやすくなっていますので、サンスクリーンを使う必要があります。乳液、美容液、サンスクリーンやメーク用品はノンコメドジェニック(面皰を作りにくい製品)を使用しましょう。
メイクアップ
ニキビができていても工夫次第で、メークすることはできます。
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